中出しの素晴らしさ

oiroke2007-04-22

「久しぶりにくちびるを重ね、激しく彼女をベッドに押し倒した。柔らかな女の肌の感触が、ぼくの欲情をかりたてた。全身がわなわなと震えるような感激に浸りながら、ぼくは彼女のなかで激情した

 
有名な宝塚時代の扇千景に、長門裕之が「中出し」した件である。
プロインタビュアーの吉田豪が名著と呼ぶ長門裕之の『洋子へ 長門裕之の愛の落書集』(データハウス1985)を読んだ。
 
出版された当時は「おしどり夫婦」として知られていた長門裕之がそれを否定した暴露本だといわれていたけれど、実際に読んでみるとかなり印象が違う。
たしかに上に引用したような芸能界の暴露本的な部分もあるけど(池内淳子との愛人関係など)、最後まで読み通すと意外なくらい読後感がいいのである。
それは著者の、ウソのない率直で正直な人間性のためだと思う。
どれくらい厳しい批判を述べていたとしても、ここにはウソがないから悪口を読まされるような悪い感じがないし、何よりもその指摘が的確なのだ。
しかも著者が大物だけに、扱う芸能人も大物ぞろいである。

たとえば坂上二郎について「彼は新しいものへのチャレンジ精神にいささか欠けるところがあるのだ。従来の自分の殻だけを守って、現状維持でいこうとすることろがあるんだね」というのは、テレビで見る彼に感じる不満をぴたりと言い当てている。
三田佳子については、庶民的な女を巧みに演じられる役者としての力量をほめながらも「ただ彼女の中には/「私は大スターだから」という意識がかなりの部分を占めている気がする」と評価している。のちに息子が起こしたハレンチパーティー事件とその顛末を知っているぼくらには、とても含蓄深いものがあるだろう。
同じく問題を起こしたなべおさみについても、「"ちょっと背伸びしすぎるところがある"」「家族によく思われたいという意思が働きすぎ、家では"なべおさみは芸能界の大将だって思われたい"」と意識しすぎていると評価しているのも面白い。
これなんて、息子のなべやかん明治大学商学部の二部(夜間)に裏口で入れようとした行動を、あらかじめ予言したとしか思えない件である。
驚くほど人をよく見ているのだ。
なかでも繰り返しきつい批判をしているのが松田聖子に対してで、
「歌は聴くにたえられないし、芝居をやれば学芸会」
「あのハチャメチャで、芸能界の表通りを歩いているつもりでも、本質的に裏通りばかり歩いてスターになった女の子」

とまで言っているのはスゴすぎる。ひどい言いようだけど、でも何かわかるのだ。
大物じゃなければ確実に潰されてたね。
自分に対しても、他人に対しても率直なこの本は、まさしく名著に値するいい本だと思う。
すごい人だね、長門裕之は!
 
ホームページの写真もすごい!
http://www3.ocn.ne.jp/~nin-pro/

硫黄島からの手紙を見た

oiroke2007-04-21

『硫黄島からの手紙』を見る。
言わずと知れた硫黄島守備隊の全滅戦を、日本人キャストでイーストウッドが映画化した作品である。
予想していたものとはかなり違うもので、いろんな意味でびっくりさせてくれる。
軍艦で硫黄島にやってくるアメリカ軍はイナゴの襲来なみのすさまじさ。
これを相手に本土から切り離された日本軍が死に物狂いで戦い抜くというのだから、面白くならないわけがない。
これはスゴイ映画になるぞ、と期待させるけど、実際に戦闘が始まってしまえば、その洪水のような兵隊たちは陰も形も見えなくなる。
その代わりに登場するのは、ほんの数えるほどのアメリカ人だけ。
なんだ、これ? あの兵隊たちはどこに消えたんだ?
まあ、日本側でも登場するのが2、30人しかいないからバランスは取れてるんだけど、これじゃ硫黄島を舞台にした戦争映画でなくて西部劇だ。
洞窟にこもった日本軍に対して、姿の見えないアメリカ軍がいきなり襲ってきて、また去っていくの繰り返し。
まんまインディアンである。
CGで書いた部分はすごいスケールなんだけど、実写で撮られたシーンはひどくセコイ。
戦争映画なのに密室劇みたいな閉塞感。低予算丸出しな映画なのである。
その代わりと言ったらなんだが、洞窟の中で集団自決に追い込まれていく兵隊たちの場面では、異様なまでの迫力が出てるし、個々の日本兵アメリカ兵とのエピソードなどは、非常に公平な目で描かれていて感心した。
たしかにその辺のドラマ部分は素晴らしいんだけど、アメリカ軍と交戦中だっていう切迫感の方がかなり薄味になってしまっているのはやはり残念だ。

あと役者に関しては、公開当時からうわさになっていた二宮和成が、なるほど上手い。


憲兵隊への供出で自分の店が潰されたという話を仲間としているときの、台詞のためが非常にいい。
「お国のためっていうけどさ――なんでパン屋なの?」
演技経験ってそんなに無いはずなのに、うまいね、この子。
でも、キャラクターは完全に現代っ子のままなんだけどね。
もう少し贅沢を言わせてもらえれば、日本兵のほとんどが行軍訓練してる兵隊とは思えないほどベタベタかっこ悪い歩き方をしてたのは、どうにかならなかったのかなあ…。
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浅尾美和でギルガメッシュ!

「ジャンク・スポーツ」のビーチバレーに浅尾美和が出ていた。
外で走り回る日焼けした彼女を見ても何とも思わないけど、スタジオの中では何か違う。
妙にエロいのだ。

何でだろうと考えて、ピンと来た。
――そう、昔のテレビ東京くさいのだ。
往年(90年代)の『平成女学園』や『ギルガメッシュ・ナイト』のにおいがプンプンするのである。
絵面が、ホントそっくり。

Tバックの飯島愛なき今、そのケツを埋めるのは――、
そう、ローライズ・ビキニの浅尾美和しかいない!(笑)
お尻を突き出すようにして、後ろを振り向き加減でギルガメッシュ!」
なんて言ってくれたら最高なのになあ…。
 
…言わねえか(笑)。

よくビキニが取れないもんだ。

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スピルバーグの『ミュンヘン』って変な映画だよね。

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映画評論家の町山智浩さんがやたら褒めてるので見たんだけど、正直いってさっぱり面白くないのだ、これが。
原作となったのは元イスラエル秘密工作員証言を元にした暴露本『標的は11人』(ジョージ・ジョナス著)。
ミュンヘンオリンピックイスラエルの選手団が惨殺され、そのリアクションでイスラエル政府がパレスチナ要人の暗殺団を送り出した事件を描いている。
評論家では褒めてる人が多いんだけど、ぼくにはこの作品の面白さがさっぱりわからなかった。
イスラエルなんてどうでもいいだろ、はっきり言って!
 
で、村上由見子『ハリウッド 100年のアラブ』朝日新聞社)が出版されたので読んでみた。

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ハリウッド映画に出てきたアラブ人の姿を掘り起こした力作なんだけど、以前の『イエロー・フェイス』よりずっとハリウッドにとって本質的な問題を抱えているのが、このアラブだってことがよくわかる。
なんせ映画の都はユダヤの都でもあり、それは最終的にイスラエル問題へと行き着くものだからだ。
ってことで、『ミュンヘン』についてもちゃんと書いてある。おかげで長年の疑問もすっきりだ。
この主人公って、映画だと家族思いのまじめな感じなんだけど、原作の本で見る実際の姿はイメージとはかなり違うという。
暗殺の仕事に嫌気がさしていく主人公は映画も同じなんだけど、本物は「むろん、良心の呵責といったものではなかった」とはっきり言う。
要するに、パレスチナ人なんて何人殺しても何とも思ってやしなかったのである。あの映画を観て、パレスチナ人に対する態度が非常にそっけないのが不思議だったが、それはこういう理由だったのだ。
なるほどね。
何より驚くのは、イスラエル政府に対する最大の怒りの正体だろう。
それは「支払われるべき報酬が払われなかったこと」である。
カネかよ!
だからこの本の主人公は、ジェフリー・ラッシュの演じた政府の役人にこう詰め寄る
 
「僕のカネはどこにあるんです?」
 
家族の心配じゃなかったんだ!
よくこんな男の映画を作ろうだなんて思ったね、スピルバーグ
ザ・エージェント』のキューバ・グッディングJr.の演じたアメフトの選手がトム・クルーズのエージェントに「Show me the money!」(カネを見せろ!)って叫んでたけど、この主人公ってリアルなグッディングJr.なんだね、よーするにさ。
これだけの大ウソを映画にしちゃったら、主人公に共感できなくてもしょうがないよね、やっぱり。

ザ・カメラテストはハズレが無い

oiroke2007-04-11

「ザ・カメラテスト」の最新作
ザ・カメラテスト マネージャーには内緒だよ ナイショってなんか萌えますね』(鬼闘光/アテナ映像)
を見た。
ウブがふたり(小沢なずな・甘井みかん)、感度のいいギャルがふたり(高橋恵・宝城さりな)、巨乳のAV女優がひとり(早坂めぐ)という布陣である。
見た目のインパクトでは前作の方が断然魅力的だが、このビデオには「処女」がいる。
といっても挿入しても全然痛がらない。
で、オナニーをさせてみたら、指を三本入れていた!というオチがつく(笑)。
このビデオで一番面白い、というよりこのシリーズの中でも出色といっていい出演者がAVの早坂めぐ(城戸さやか)という女の子である。

彼女は前作の大沢佑香などとはちがって企画のコみたいだけど、巨乳で感度良好、キャラクターも自然だし、撮影もクリアで見たいところをしっかり見せてくれる。パンスト破りにパイズリ、体位の見せ方なども実にソツがない。いやがってるのに、最後は石川クンを翻弄するほど腰を使うのも面白い。
このシリーズの魅力を過不足無く見せる素晴らしいパートになっている。
「大丈夫、大丈夫」
「大丈夫じゃないですよ!」
実に素直。
「じゃあ、すぐに撮影しようね」
「これ使ってくださいよ!」
そりゃそうだ(笑)。

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ブッシュに憧れる人々

死んでる会議

ブッシュを世界で一番好きなのは日本人ではないのだろうか?
ときどきそう思えて仕方がないときがある。
今日も「朝日新聞」の一面を見ると、
 
「教員給与80%から120%の幅で格差をつける」
 
との文字が飛び込んできた。これは出来る教師と出来ない教師が同じ給料というのは教師のやる気が出ないので、差をつけたいと教育再生会議が言い出したことである。
もちろんこれは東京都の役人に給料のランク付けをはじめたことに結びつく議論で、要するに
「格差はある程度認められないければならない」政策の一環である。
つまり教育では「格差」は正義なのである!
 
すでに触れたこともあるけど、この「格差教育」ってのは実は「ゆとり教育」の失敗を踏まえたものではない。
むしろその政策を純化したものだ。
ゆとり教育」の失敗は、端的に、「ゆとり」による愚民化があまりにも効果的で、本来エリートになるべき人間たちまで愚民になってしまったことにある。
つまり、愚民化の部分ばかりが効果をあげ、肝心のエリート養成の方は完全にお留守だったのだ。
っていうより、エリートをどうやって育てていけばいいのか、誰ひとり具体策を考えないまま、愚民政策だけが着々と進行してしまったことにある。
従来どうりの「東大合格高校ランキング」以上の価値観をもたないまま、学校教育の愚民化だけを進めれば、当然これまで以上に使い物にならない馬鹿東大生を生み出すことにしかならないのは誰が考えても分ることである。
 
ただ今の再生会議は「ゆとり」時代の教育審議会とは、すこーしだけ違うところがある。
それは彼らがブッシュ教の信者だってことだ。
具体的には、彼らがはじめようとしている「バウチャー制度」なるものがあるのだが、それはブッシュがテキサス州知事時代に行って、それの成功にあやかって日本でも始めようとしているものなのである。
たとえば『中学改造』(藤原和彦編著。小学館)という対談集をみると、評論家の櫻井よしこが熱烈にブッシュの偉業についてほめあげ、すぐに日本にもおこなうべきだと主張している。
まともな教育学者なら誰も相手にしない(だから再生会議には教育学者が誰も参加していない!)、このバウチャー制度も、もとは例のミルトン・フリードマンがあみだしたもので、要するに反共産主義的ならすべて正しい、という実に馬鹿らしいイデオロギーの産物にすぎない。
要するに、20年前の古びたポンコツにすぎないのだ。
ほんと、馬鹿だよね、こいつら。

勝つのはタレント

最近の選挙って、勝つのはみんなタレントである。
もちろん今度の都知事選で勝つのもタレントだろう。
一時期は浅野さんをテレビがプッシュしていたけど、彼をタレントにするほどマスコミも甘くはなかったようだ。
昨年の年末に「品格」の代表として石原慎太郎を持ち出したフジテレビのセンスには驚かされたが、なるほど今となってはハッキリ分る。
こういうことだったんだね。