*個人の感想です

アガリスクの奇跡

18日。史輝出版社長が薬事法違反でつかまった。
アガリスク茸で癌がなおった!」
と治療効果をうたい、認可されてない薬品を売る通販会社を紹介したのがまずかったらしい。
(これをバイブル商法という。通販会社の電話番号を掲載するなどしたため、違反会社の仲間と見なされたのである。)
でも、これって不思議な感じがしないだろうか?
毎日流れてる深夜の通販でも、かなりイカガワシイ品物が堂々と売られているのだから。
「癌が治った!」ってのと「いっぱい食べても痩せられる!」っていうのは、いったいどこがどう違うというのだ?
痩身剤ってちゃんとした効果のある薬じゃないのかよ?
全然わからない。
そう思いつつ、テレビの通販を見てみると、そこに書いてある奇妙な言い回しに注意せざるを得ない。
「これは愛用者の感想であり、効能ではありません」
…ああ、この「効能云々」って、実は「薬品ではない」っていう意味だったのね!
実際、日テレ(詐欺の斡旋者として民事告訴されたことがある)のニュースを見れば、はっきりと「効能・効果」が問題なんだって言っている。
つまり、「効能」をうたっちゃうと薬事法に引っかかるんだ!
なるほど、そんな単純なことだったんだねぇ。
この点を踏まえて番組を見なおしてみると、史輝出版と他の会社の違いなんて紙一重でしかないことが良く分かる。
たとえばサントリーセサミンEプラス」
この場合でも、「健康に役立つことを我々が突き止めたんです」といい、老人のプロスキーヤーが効果を実証して見せるなど、いかにも若返りの効能があるかのような印象を受けるが、実のところ決定的なポイントについては全てはぐらかしているのだ。
正味、会社側の言っていることは「ごまの健康パワー」「限りない可能性を秘めている」「全成分の0.5パーセント」なんて無意味な単語の羅列のみ。
その代わりに愛飲者と名乗る善男善女が、「若返ったような気がする」「飲んでないと不安」「肌がツルツル」などと、実際の効果を裏打ちするかのような発言を繰り返しているのである。――
なるほど、完全なる役割分担がなされているわけだ。
その上、画面上方に小さく「お客様の感想であり、効能ではありません」の文字が出るのだから、サントリーが商品を売る理由そのものを顧客が説明しているという、まことに本末転倒と言うしかない状態にまでなっている。
…実に分かりやすい。見事なまでの無責任である。
飲んでいる人間が健康であったとしても、それがセサミンの効果といえるのか因果関係は一切わからない。
スキーヤーの老人なんて、キムチ鍋ばくばく食べてるし(笑)。
重要なのは「イメージ」であり、ほんとに役立つのかどうかは大した問題ではないのだろう。
「それって、効くってことかよ!?」なんてサントリーに訊いても、絶対言質をとられるようなことは言わないんだろうな。
これが典型的な「合法的」健康食品商売ってことなのね。
史輝出版のおかげで勉強になったよ。
それで社長が戻ってきて、今度は
セサミンEプラスで、20才若返った!」
なんて本を出してくれたらいいのになぁ、なんて思ってたら、
出してた(笑)。1億人の薬効食やっぱり「ゴマ」が効く!
――