犬に似すぎ、安倍晋三

oiroke2006-08-13

安倍晋三美しい国へ」(文春新書)が売れているらしい。
とても本人が書いたとは思えない教科書どおりの無内容な代物なので、中身についてどうこう言っても仕方が無い。
ネオコンの論者の尻馬にのって、アメリカを「リヴァイアサンである」と評価していても、まさかホッブスリヴァイアサンが国民の全ての権利を取り上げるような凶悪な思想だとは、このお坊ちゃまには分るまい。
ただ、この明らかにゴーストライターの書いた本を、数十万人の人々が熱烈に支持しているということは注目に値する。
つまり、これがゴーストライターが書いたこと自体に、彼らを駆り立てたと思われる思想的背景があると思うのだ、ぼくは。
 
8月2日の「ニュース23」を見た人は、どれくらいいるだろうか。
筑紫は夏休みなので、その代わりに不思議なおっさんが司会をやっている。
そのコラムがすごかった。
リンカーンの有名なゲチスバーグ演説「人民の、人民による、人民のための政治」を歴史上もっとも有名な演説だと評価し、でも、リンカーン本人は民主主義についてよく知らなかったと主張する。
じつはそのブレーンにウェブスターという人物がおり、彼の教育によってリンカーンの演説が生まれたというのだ。ここまではいい。
でも、この後に続く言葉にはあっけにとられた。
 
レーガン大統領が歴史に残る大統領だと言われるのも、
まわりにしっかりとしたブレーンがいたからです」

 
唐突にレーガンの登場である。リンカーンのあとにレーガン。――TBSの政治的立場がよく分かった。
自民党支持ではなく、共和党支持なのだ。
わかりにくいハズである。
 
以前も書いたが、このレーガン政権時代のブレーンたちが、今のブッシュ政権にほぼそのまま移行していることはよく知られている。というより、ブッシュなんてただの傀儡・ロボットでしかない。本体はその背後に並ぶ巨大企業の重役たちであり、つまり「ブレーン」なのだ。
そのブレーンをニュース23のキャスターは褒め称えたのである。
そして、そのブレーンが日本にもあるべきだ、というのである
 
なるほど、安倍晋三が犬に似ているわけだ。

美しい国へ
美しい国へ安倍 晋三

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