日本を醜くするだけのバカ

oiroke2006-09-09

少子化を食い止め、父親が子育てに参加するような社会にするには、どうすればいいですか」
という質問に、安倍晋三はこう答えた。
 
「働き方を多様化すればいいんです」
 
…つまり派遣社員になれと?
 
斎藤貴男氏の『人を殺せといわれれば、殺すのか』というコラム集を読んだ。
そこに教育学者の佐藤学氏との対談が収録されているのだが、その中で非常に重要な発言があるのでここに書き写すことにしたい。
 

佐藤 自由の概念というのは、近代の市民社会において平等と同時に成立したと教科書には書いてあるけど、あれは嘘ですね。近代の市民革命が起こったときに、自由を主張したのはむしろ土地を所有していた貴族ですよ。(中略)ですから、新自由主義の自由論というのは一見すると自由を謳歌しているように見えるんだけど、初歩的な自由の思想でしかないということははっきりさせないといけない。だから彼らは選択の自由しかいわない表現の自由や思想の自由や政治活動の自由は絶対に言わない
斎藤 一握りの人たちにとっての自由だからでしょう? 思想だとか表現だとかいうと、下まで入れないといけないからね。
斎藤貴男『人を殺せといわれれば、殺すのか』太陽企画出版。pp283-4)

 
新自由主義の価値観を実にうまく捉えている。
自由は彼らのためのものであり、その他の人間には与えられるべきものとは考えられていない。彼らの口にする「小さな政府」は、『中日新聞』の社説委員が語るような「無駄づかいを減らした、コンパクトな政府」なんかのことじゃない。それは国家が治安機能だけに特化した夜警国家のことだ。そんなものに自由なんてあるハズがないじゃないか。連中は平気で嘘をつく。
 

人を殺せと言われれば、殺すのか―自由のための書評&ルポ集
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