ブロークバックはいまいちだった
久しぶりにビデオで「ブロークバック・マウンテン」(監督アン・リー)と「ウォーク・ザ・ライン」(監督ジェームズ・ゴールドマン)を見た。
アカデミー作品賞の本命だった「ブローウバック」であるが、率直にいっていまいちだった。どうにも役者が弱い。せっかくホモの恋愛を描くのに、感情面の盛り上げは殆どザルで、しかもただの肉体派でしかない。ジャックの家族を訪ねる場面からがこの映画の白眉だが、最後まで共感を呼びづらい人物のままだったのはどうか。
娘が成長してからは多少持ち直す感はあるが、間延びした前半を立て直すほどの密度は無かった。
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で、どちらかというと面白いのはジョニー・キャッシュを主人公に据えた「ウォーク・ザ・ライン」の方である。
監督が「ビューティフル・マインド」の脚本家なので、苦悩する夫を妻が支えて最後に成功するという構成はまるきり同じ。あまりにも優秀な兄とか厳しすぎる父とか、いかにもなジャーゴンもあまり褒められたものではなかろう。
でも映画として力のあるのは断然こちらだ。
刑務所に響く振動でライブの始まりを予感させる工夫になみなみならぬ演出テクを感じさせたが、この監督のライブ演出は今まで見たこともないほど素晴らしい。舞台に立つ役者がちゃんと「歌手」ではなく「役者」として成立しているし、何より客をがっちりとツカんでいるのだ。
これは驚くべきことです。久しぶりにミュージカル的な躍動感を感じさせる映画を見られてかなりの満足感がありました。
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